こころと身体のつながり: 原始反射⑤ 対称性緊張性頸反射
2017/06/22
原始反射⑤ 対称性緊張性頸反射 (Symmetrical Tonic Neck Reflex/STNR)
期間:
誕生時には見られない。 生後6ヶ月~11ヶ月
刺激と反応:
首を後ろに曲げる(反らせる)と、上肢が伸展し下肢が屈曲する
首を前に曲げると、上肢が屈曲し下肢が伸展する
機能・目的:
・腹ばいから四つ這いに姿勢変換する際に必要
・全ての原始反射の発達統合を図る
・姿勢反射の出現・発達統合を促す
関連身体部位:
あらゆる身体組織と筋肉、特に眼が関連する
解説:
対称性緊張性頸反射(STNR)は手と膝を使ってはいはいすることへの踏み台になる反射です。 赤ちゃんが四つ這いになっているときに、頭が後ろに反ると一緒に膝が曲がり腕が伸び、逆に頭が前に(胸のほうに)曲がると、足がぴーんと伸びて腕が曲がります。
STNRは原始反射の次にやってくる姿勢反射に分類することもあります。
姿勢反射とは、私たちが日常生活のなかで立ったり、座ったりしているときに全身の筋肉が適度に緊張し、バランスを自動的に取ってくれている反射で、この姿勢反射のお陰で私たちは、立つことが自然に、無意識にできています。
このことから、STNRが発達しない、または残存していると、まず姿勢の問題に繋がり、酷く猫背だったり、逆に背中を反らしすぎたりすることになる場合があります。
次に、眼の問題。 特に、眼の焦点調節機能(近くのものに焦点を合わせた後に、遠くの対象物に合わせる、またその逆)にも影響が出るので、黒板と手元のノートに焦点を合わせることが難しく感じられ、黒板の文字を書き写すようなことに時間がかかることで、授業の情報を見落として“ちゃんと集中して聴いてない”などと受け取られることもあります。
また、手と眼の協調性に問題が出たり、肩を丸めて前方へ傾いた猿のような歩き方が見られることもあり、すぐに机にうつ伏せになったり姿勢が悪くなったりする傾向があります。
STNRの動きを実際にやってみると、四つん這いの姿勢になって首を反らして遠くを見るときと、首を胸の方に曲げて床を見るときの視界の変化に気づきます。 これがSTNRの動きのひとつです。 やがて前後に身体が揺れるような状態(ロッキング)になってはいはいへと発達していくことがわかります。 このような流れにおいて赤ちゃんは自然とSTNRを統合して、視覚の焦点調節機能や遠近調節機能を育て、はいはいができるようになっていくのです。
時には、前頭葉の働きが十分でないことが原因になって、掃除や片付けなどにも必要な計画化、組織化するスキルが弱い傾向が見られることもあります。
期間:
誕生時には見られない。 生後6ヶ月~11ヶ月
刺激と反応:
首を後ろに曲げる(反らせる)と、上肢が伸展し下肢が屈曲する
首を前に曲げると、上肢が屈曲し下肢が伸展する
機能・目的:
・腹ばいから四つ這いに姿勢変換する際に必要
・全ての原始反射の発達統合を図る
・姿勢反射の出現・発達統合を促す
関連身体部位:
あらゆる身体組織と筋肉、特に眼が関連する
解説:
対称性緊張性頸反射(STNR)は手と膝を使ってはいはいすることへの踏み台になる反射です。 赤ちゃんが四つ這いになっているときに、頭が後ろに反ると一緒に膝が曲がり腕が伸び、逆に頭が前に(胸のほうに)曲がると、足がぴーんと伸びて腕が曲がります。
STNRは原始反射の次にやってくる姿勢反射に分類することもあります。
姿勢反射とは、私たちが日常生活のなかで立ったり、座ったりしているときに全身の筋肉が適度に緊張し、バランスを自動的に取ってくれている反射で、この姿勢反射のお陰で私たちは、立つことが自然に、無意識にできています。
このことから、STNRが発達しない、または残存していると、まず姿勢の問題に繋がり、酷く猫背だったり、逆に背中を反らしすぎたりすることになる場合があります。
次に、眼の問題。 特に、眼の焦点調節機能(近くのものに焦点を合わせた後に、遠くの対象物に合わせる、またその逆)にも影響が出るので、黒板と手元のノートに焦点を合わせることが難しく感じられ、黒板の文字を書き写すようなことに時間がかかることで、授業の情報を見落として“ちゃんと集中して聴いてない”などと受け取られることもあります。
また、手と眼の協調性に問題が出たり、肩を丸めて前方へ傾いた猿のような歩き方が見られることもあり、すぐに机にうつ伏せになったり姿勢が悪くなったりする傾向があります。
STNRの動きを実際にやってみると、四つん這いの姿勢になって首を反らして遠くを見るときと、首を胸の方に曲げて床を見るときの視界の変化に気づきます。 これがSTNRの動きのひとつです。 やがて前後に身体が揺れるような状態(ロッキング)になってはいはいへと発達していくことがわかります。 このような流れにおいて赤ちゃんは自然とSTNRを統合して、視覚の焦点調節機能や遠近調節機能を育て、はいはいができるようになっていくのです。
(ロッキング)
時には、前頭葉の働きが十分でないことが原因になって、掃除や片付けなどにも必要な計画化、組織化するスキルが弱い傾向が見られることもあります。
(出典: 人間脳を育てる -動きの発達&原始反射の成長- 灰谷孝 著)