6月の読書 ‐spectator vol.32: ボディトリップ‐

ロルファー のり

2018年06月13日 13:16




あるクライアントさんから本、というか季刊誌をいただき読んでいます。

導入部分ではボディーワークの説明にはじまり、70年代に巻き起こったHuman Potential Movement(=人間回帰運動)だとか、その源流にもなり、今でも多くのワークショップが行われているEsalen Instituteについての記述があり、ツボをくすぐってくれます。

Human Potential Movementについてはぼんやりとしたイメージしかもっていなかったけど、“あらゆる人間には、条件さえ整えれば成長していくような潜在的可能性が備わっていて、成長をさまたげるようなものをとりのぞき、成長が起きるような環境づくりをしていけばいい”(雑誌 spectator vol.32-2014) といった思想が根底にあるようで、ロルフィングとシンクロする部分があるな~って感心。




ロルフィングコミュニティーでは、“重力がセラピストである ‐ 重力の線が身体を通り抜けていくとき、身体は自ずと癒えていくでしょう”という比喩的な格言があり、“身体の内側で起こる筋肉や筋膜の引っ張り合いのバランスを調え、その原因となるものをとりのぞけば治療(セラピー)はいらなくなる、身体を突き抜けていく重力を感じることによって身体は自ずと癒えていく、、、”といった意味を含んでいます。


その原因となるもの、とは、単に身体の癖などには限らず、身体に影響を及ぼす心理的なストレスやトラウマ、過緊張など身体をこわばらせてしまう性格的なもの、また我々の身を置いている社会的・文化的な要因などを含んでいます。 


身体の不調や病気の原因となるものが単に身体的なものだけでなく心理的なものも含むというものの見方は、ほんとロルフィングをはじめとするボディーワークの特徴だと思います。
だから、入り口は身体なんですが、クライアントさん一人ひとりの全体性を大切にしていく必要があるのです。


ここのところ自分の提供するセッションの中では、疲労を抜くことや、痛みの軽減などの身体の不調だけに焦点を当てすぎていた感があったので、この本を読んでちょっとニュートラルに引き戻してもらえました。


セッションを通して、現在の自分の在り方や、必要なもの、手放していいものなどに気づいてもらい、取捨選択をクライアントさんと共に探求していくのが、やっぱり自分の求める方向性かなって再確認するいい機会をあたえてもらえた気がします。 



“あらゆることは、それが生理的であれ、心理的であれ、霊的であれ、すべては筋肉の緊張として翻訳される” - F.M.アレクサンダー


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