こころと身体のつながり: 原始反射④ 脊髄ガラント反射

ロルファー のり

2017年06月20日 10:05

原始反射④ 脊髄ガラント反射




期間:
妊娠20週目~生後5ヶ月

刺激と反応:
腰周辺の外側3cm辺りと上下にこすると刺激された方向に体幹部が曲がる

機能・目的
・前庭系を発達させる
・音伝導(胎内で脊髄からの振動を耳に送り聴覚を育てる)
・賛同を通り抜けられるよう手助けする
・固有受容感覚の発達を促進させる
・脚と体幹部の協調性を高める

関連身体部位:
腰・臀部・骨盤辺りと脚の背面の筋肉

解説:
脊髄ガラント反射は、赤ちゃんが産道を通ってくるときに必要なお尻の動きを助けるために存在しています。
通常の時期を過ぎて脊髄ガラント反射が保持されていると、服が触れるなど、腰の辺りへのほんの軽い刺激によって常に反射が引き出されているかも知れません。 教室でも、椅子の背もたれやズボンのウエストゴムなどで刺激されまて、そわそわもじもじ動き、常に身体の位置を変えることになります。 このように背中に常に刺激物があることが、集中力や短期記憶に影響を及ぼし、トラブルの原因になり、座った姿勢を維持することができない場合があります。 良い姿勢を保つために必要な“姿勢反射”の発達に影響があることもあるからです。

膀胱排尿反射を含む神経系の働きにより、脊髄ガラント反射を保持している子供たちは排泄のコントロールが難しい傾向にあります。 寝ている時には、敷き布団やシーツによってこの反射が刺激され、さまざまなおねしょ防止対策にも関わらず、意図しない排尿反射を引き起こし夜尿を繰り返してしまう可能性があります。 そして、足を引きずるような兆候があったり、ときに脊柱側湾症の一因になったりします。

また体幹部(胴体)と下肢部(脚)を別々に動かすことがむずかしくなり、慢性的な腰痛に悩まされたり、ぎこちない動きの原因になったり、聴覚的、視覚的な課題をかかえたりする可能性があります。



(出典: 人間脳を育てる -動きの発達&原始反射の成長-  灰谷孝 著)

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