こころと身体のつながり: 原始反射① 恐怖麻痺反射
お子さんのいらっしゃるご家庭の方々ならおそらく耳にしたことがあるであろう
“原始反射”。
原始反射は赤ちゃんが生まれてすぐの期間を生きていくために、また人間としての
生活の基盤となる身体の発達のために備わっている反射的な(ある刺激により誘発される)動作です。
幼児はそれぞれの原始反射を充分に経験することにより、身体の動作の基盤が徐々にできあがり、それらの反射的動作は生後2年くらいでその役目を終えると自然になくなるのが本来のあるべき働きです。、
しかしながら、何らかの理由でその反射の名残が残ってしまった場合、幼児期の動きの発達を抑制してしまい、身体の使い方や情動にも影響を及ぼしてしまうことがあるようです。
今後、数回のエントリーに分けてこの“原始反射”について、発達支援コーチの灰谷孝さんの著書に基づいて紹介していこうと思います。
原始反射① 恐怖麻痺反射(Fear Paralysis Reflex / FPR)
期間:
妊娠5週目~12週目(誕生時には統合)
刺激と反応:
母体のストレスを感じると全身を固める
機能・目的:
母体のストレスから受ける悪影響から身を守る
この反射の残存によって影響を受ける身体部位:
身体全ての組織、特に背面の筋肉、バランス、視覚
解説:
お母さんがストレス状態になった時にお腹の中の胎児が首、肩、身体などを固めてストレスの悪影響から身を守る反射が
恐怖麻痺反射(FPR)です。
FPRが出生以後も何らかの理由で保持されていることで、全身の様々な器官に影響が出ます。RPRを保持したままの子供の多くは、
背面の筋肉が非常に固い状態で、肩や背中、ふくらはぎなどの筋肉を固め、呼吸にも制限がみられることがあります。
そのほかにも視覚や動眼神経の発達が未熟になりがちで、本を読んだり誰かに視線を集中させたりする“見ること”も難しくなります。
FPRは、
危険を感じたときに“身を固めて守る”という反射なので、出生後にもFPRを保持していると、
性格にも影響し、引っ込み思案、新しい状況や場所で無口になる、いつもと違う状況を嫌がったり対応が困難になる、などの特徴につながります。
またFPRを保持していると、
過敏傾向があるために、人ごみを嫌う、車に酔いやすいなど様々な感覚過敏を持つこともあります。
(出典: 人間脳を育てる -動きの発達&原始反射の成長- 灰谷孝 著)
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